セミナー・公演

平成27年1月30日(金)『海外進出のための必要知識「知らないと損する海外進出時の法的問題」「知って得するトラブル解決法」』セミナー

平成27年1月30日(金) セミナー 海外進出のために必要知識

「知らないと損する海外進出時の法的問題」「知って得するトラブル解決法」

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平成27年1月30日、当事務所では、中国上海にある和華利盛法律事務所のパートナー弁護士である楊民先生をお招きして、中国における会社進出、取引、撤退の各場面において、そのリスクとその対応策を中心に当職が、楊先生に質問していくという形でのセミナーを行いました。

今回は、初回と言うことで入門知識を幅広く取り上げる形で行いました。たくさんの企業の皆様に参加いただきありがとうございます。当事務所は、また、楊先生をお招きして、状況別に詳細な内容のセミナーも開催していきたいと考えています。

また、当事務所では、上海の和華利盛法律事務所と業務提供を行い、当事務所を通して上海の和華利盛法律事務所の弁護士の相談を受ける体制を組んでいます。

当日講演内容

海外進出企業法務実務セミナー 海外進出のために必要な知識

「知らないと損する海外進出時の法的問題」「知って得するトラブル解決法」

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講師紹介

楊民弁護士

上海和華利盛(上海ハワース&レクソン)法律事務所 共同経営者

滋賀大学大学院に留学の経験があり、上海に進出している日系企業の法律事務を多数扱っている。


海外進出のリスクについて

 ① 労務管理のリスク

 ② 取引上のリスク

 ③ 知的財産のリスク

 ④ 不正・犯罪のリスク

 ⑤ 税務のリスク

会社設立について

 日本法人が海外支店を作る方法

日本企業が出資して現地法人を作る方法

 ・独立資本企業(日本企業の単独出資)

 ・合弁企業(現地企業等と共同出資)

会社設立について

 会社設立の手続き概要

 ①名称(会社名)の仮登記      ②外国投資企業許可証の取得

 ③工商登記(営業許可の取得)   ④組織機構コード証の取得

 ⑤公印(社印)の作成         ⑥外貨及び人民元口座の開設

 ⑦税務登記

会社設立について

 合弁契約の作成上の注意

 ・中国の法慣習として判例より契約書を重視

  →契約書に細かな内容を定める。

   利益配分(ロイヤリティー)の計算方法などは細かく定め

   ておく

 ・言語の違いにより契約書の言葉の意味が違うことがある。

  内容だけでなく言葉の意味に齟齬がないか確認する必要

  もある。

設立について

 ビザなし                 最大15日

 短期商務ビザ             1ヶ月~3ヶ月

 就業ビザ(外国人就労許可証)   長期(原則毎年更新)

 また、30日以上居住する場合は、「居留証」も必要となる。

労務管理のリスク(解雇)

 解雇の方法

 ・合意解雇

 ・30日前の通知による解雇

 ・整理解雇(省略・個別に専門家への相談が必要)

 ・懲戒解雇

労務管理のリスク(解雇)

 経済補償金とは

  解雇時に

  1年間の勤務期間に対して1ヶ月分の賃金を支払う必要がある。

  最大12ヶ月分

  (例)

     1年間働いた人に対しては、1ヶ月分

     3年間働いた人に対しては、3ヶ月分

     12年間働いた人に対しては、12ヶ月分

     15年間働いた人に対しては、12ヶ月分

労務管理のリスク(解雇)

 30日前の通知による解雇

1、労働者が病気を患い(わずらい)、または仕事外の理由により負傷した場合において、医療期間満了の後に元の仕事に従事することができず、企業が別に配置した仕事にも従事できないとき。

 2、労働者が仕事に堪えることができず、訓練または職位の調整を経ても、なお仕事に堪えることのできないとき。 

3、 労働契約締結の際に根拠とした客観的状況に重大な変化が生じ、元の労働契約を履行することができず、当事者双方の協議を経ても労働契約の変更につき合意に達することができないとき。

労務管理のリスク(残業代)

 基本労働時間 1日8時間 週40時間

 残業割増分   平日1.5倍

              土日2倍

            祭日3倍

  中国では、法律通り残業代を支払わない企業は少数派

  従業員は、残業代を支払ってもらえないなんてあり得ないという感

  覚を持っている。

取引について

 とにかく契約書が重視される。

 契約書の内容は、商品の内容、技術の定義など細かく定めるのが一般的である。日本の取引基本契約は商品の内容や言葉の定義に幅を持たせているので抽象的になっていることが多く、流用するのは危険である。

 
取引について

・保証人について

 親会社や小規模な会社だと取締役を保証人とすることが多い。

 保証人は可能な限りとっておくことをおすすめする。

・物的担保について

 土地は国家のものなので、担保に出来ない。しかし、土地の使用権

 や建物を担保にすることは可能である。これも可能な限りとっておく

 ことをおすすめする。

取引について

 中国人は、日本人と違い平等意識、対等意識が強い。

 下請業者や加盟店契約(フランチャイズ契約)の加盟店であっても対等という意識は強い。

 日本では、力関係から当然に実施させることが出来る事も、中国では拒否されることがある。これは、契約書に定めていても違反されることもある。

 この点については、日本では契約書に書かないことが多いが、中国では、契約書に書いた上で違反した場合の取り決めまでしておく必要がある。

取引について(債権回収)

①訴訟前の交渉による示談(和解)

②訴訟前の仮の差し押さえ

③訴訟提起後の和解

④訴訟提起後の判決

⑤仲裁による解決

取引について(債権回収)

 日本の裁判所での判決で、中国にある財産を差し押さえることは出来ない。その逆も同様である。

 取引先会社の財産が中国にあるか、日本にあるかに注意して、中国にある場合は中国の裁判所を、日本にある場合は日本の裁判所で裁判をするようにしないといけない。(契約書の管轄合意の規定に注意する。)

取引について(債権回収)

 国際仲裁という方法がある。

 

 契約書に仲裁を行う旨の合意があることが前提となるので、契約書には、仲裁についての規定も入れておく必要がある。

 中国国際経済貿易仲裁委員会、日本商事仲裁委員会などがある。

 

知的財産のリスクについて

 商標登録の問題

 ・先に商標登録した方が優先するので、既に商標登録されていると

  使えない場合がある。

 ・中国に進出する予定がなくとも将来に向けて商標を登録しておく事

  をおすすめする。

知的財産のリスクについて

 コピー商品(模倣品)

 ・行政に対する相談は、中国の工商行政管理局にする。

  ただし、実効性は乏しい。

 ・製造先の情報や証拠がそろえば、弁護士に依頼し、損害賠償請求

  をすることは出来る。

知的財産のリスクについて

 ソフトウェアのプログラムについては、著作権の登録制度がある。

 これも日本だけでなく、中国でも登録することで有効性がある。

知的財産のリスクについて

 雇用した者からの情報・財産流出

 ・雇用した者と

   秘密を守る契約(秘密保持契約)

   同業を行わない契約(競業避止契約)

 を締結する。

  しかし、辞めた従業員が秘密を使い、事業を行う場合は多々ある。

  情報を一人に集中させることや重要な情報は教えないことが大事

  である。   

撤退について

・破産

 日本法人も経営状況が良くないのではないかというマイナスのイ

 メージを消費者取引先に与える可能性が大きい。

・任意の解散・清算

 日本法人が資金投入して、債務を弁済して法人をなくす方法

 破産のマイナスのイメージは与えない。

 

 ともに従業員を解雇することになるので、経済補償金の支払いも考える必要がある。

 

撤退について

・合弁先や第三者に持分(株式)を売却する方法

 会社を存続させる方法なので、従業員の解雇の問題はない。

 しかし、売却先に対する情報流出等を覚悟しないと行けない。

撤退について

 債務者の出国規制

 中国では、未解決の民事事件があり、かつ、人民法院が出国を許可しないと決定した場合に出国出来ない場合がある。

 (債務者が法人であってもその代表者も出国出来ない場合がある)

 この場合は、債務の支払いをしないといけませんが、裁判が確定している者だけでなく、現在裁判が進行中の場合も対象になる。

 また、一般の民事による債務だけでなく労働債務も対象になるので注意が必要である。

 

撤退について

 債務者の出国制限

 要件は以下の通りである。

(1)中国において未解決の渉外商事紛争事件が確かに存在すること

(2)出国が制限される者が未解決の渉外商事紛争事件における当事者又は当事者の法定代表者、責任者であること

(3)訴訟から逃避(とうひ)し又は法定義務の履行から逃避する可能性があること

(4)その出国により事件が審理できない又は執行ができないこととなる可能性があること

平成26年6月20日(金) セミナー「経営者のための労働法」のご案内

かばしま法律事務所では、今回、顧問様と地域の企業経営者のためにセミナーを開催いたします。今回のテーマは、経営者の皆様からの相談の多い、契約社員、残業代についてです。

契約社員に関しては、法的保護がどうなっているか十分理解していなかったために、契約期間満了として契約を終了した場合でも法的紛争となるケースが少なくありません。また、残業代も、企業側としては支払っているつもりでも、残業代の支払い方に不明確な部分があると後に法的紛争になる場合もあります。今回は、実際に問題となった事例を紹介した上で、法的紛争を未然に防ぐためにはどうすればよいかを、経営者の皆様に学んでいただきます。

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※画像をクリックするとご案内が開きます。

セミナー開催概要

セミナータイトル

経営者のための労働法
「正社員と変わらない!?契約社員の法的保護」
「労働時間と残業代」

日時 平成26年6月20日(金)15:00~17:00 (開場14:30)
会場 メディア7ビル7階
(福岡県久留米市日吉町23-3 西鉄久留米駅徒歩8分)
会費 顧問企業様:無料、一般企業様:3,000円
定員 50名
(会場の都合上人数を制限させていただきますので、お早めのお申し込みをお願い申し上げます。)
講師 かばしま法律事務所 弁護士 松﨑広太郎
かばしま法律事務所 弁護士 大野智恵美

講座内容

(1)正社員と有期契約社員それぞれの法的保護についての概略。

(2)相次ぐ法改正、有期契約社員の法的保護!

(3)労務管理の二本柱、残業代管理と、有期契約社員の管理の極意。

(4)残業代を請求されたら・・・労働事件についての制度と手続。

(5)あなたの会社は大丈夫ですか?残業代の支払いにおいて、気をつけるべき5つのポイント!

など

講師紹介

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松﨑 広太郎(マツザキ コウタロウ) 

かばしま法律事務所 弁護士

>>>弁護士紹介はこちら

大野先生.PNG 大野 智恵美(オオノ チエミ)

かばしま法律事務所 弁護士

>>>弁護士紹介はこちら

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