交通事故事件 解決事例

30代男性被害者死亡のため遺族が訴訟を提起し保険会社提案額より増額し1100万円で和解が成立した事例

事案の概要

被害者は、30代の男性。妻と子供1人。

 

原動機付き自転車で交差点に進入したところ、右方から来た普通車両と接触。事故により死亡。
主に、過失割合が争点になった。

結果

1100万円で和解(相手方保険会社の提示金額は約910万円)。

解決のポイント・解決までの流れ

弁護士に相談する前に、自賠責保険から3000万円を受領。
相手方の保険会社から、自賠責から受けた金額を控除した残額の分の提案を受けていた。その内容は、交差点進入時の信号が分からないために、双方赤信号とした上(過失割合)での提案だった。相手方は、事故後に作成された実況見分調書には、赤信号で進入したような記載がなされていたにもかかわらず、その後供述を翻し、自らは青信号で交差点に進入した旨主張していた。
依頼者は、上記内容に納得がいかなかったため、弁護士が介入して交渉したが、相手方保険会社は、過失割合について主張を変えなかった。そのため、訴訟を提起。相手方本人の証人尋問を実施し、裁判所から提案された和解案にて、和解して訴訟は終了した。

解決までの期間

受任から和解成立まで1年4カ月

当事者の感想・様子

相手方本人に対し、当初作成された実況見分調書と、その後の供述内容とが異なることについて、反対尋問がなされ、相手方の供述の理不尽さが浮き彫りになった。
それにより、概ね満足されたようで、和解案は双方痛み分けのような内容であったが、裁判所の提示内容を全面的に受け入れた。

担当弁護士からのメッセージ

交通事故の死亡事案であり、被害者自身の供述が全くない事件であった。そのような中、唯一、事故状況を知る加害者が、その供述を2転・3転させていた。そして、加害者の保険会社も、事故状況が確定できないなどとして、示談内容を提案してきた。

 

遺族としては、保険会社の提案に到底納得できなかった。金額にも納得がいっていなかったが、加害者に話を聞きたい、真実が知りたいというのが第一義的にあった。
死亡事案の場合、死者が語ることができないため、遺族は、交通事故の示談交渉においても、真実が知りたいというジレンマを感じることが多いはずです。訴訟という手続きは、適正な金銭賠償を得るということだけではなく、事故の内容を明らかにし、被害者の死を受け入れるということの一助ともなるかもしれません。
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