相続事件 解決事例
母親が生きているときに預金の使い込みをしていた疑いのある相続人に対して、使い込んだ分を含めて返還を受けることができた事例
事案の概要
依頼者の母親は、長女にすべてを相続させるという遺言書を残して死亡した。長女は、他の相続人に対して、死亡時点での遺産の遺留分に相当するお金を振り込んできた。それに対して、生前、母親のお金を長女が使い込んでいる疑いがあるため、その調査と使い込んだ分の返還を求めた事例。
結果
医療記録や介護記録を取り寄せて、記載を詳細に確認していたところ、泥棒対策で姉が母親の預金通帳を保管するようになった旨の記載があった。そのため、その時期以降の出金は姉が出金したものと主張して、遺留分に相当する分を返還するよう求めた。
その結果、請求金額全額の支払いを受けることができた。
解決のポイント・解決までの流れ
死亡する前の預貯金の引き出しについては、本人が出金した可能性もあるため、「誰が出金したのか」が問題となります。
この点については、医療記録・介護記録を詳細に確認して、その中に、介護施設の職員が記録した親族とのやり取りの記載があり、預金通帳を預かっていたことが記録されていた。このような、中立の第三者と評価される可能性の高い者が記載した事項には信用性が認められると主張し、その日以降の出金については姉が出金したお金であると主張しました。
それにより、姉はこちら側の請求を全面的に認め、使い込んだとされる金額の遺留分割合に応じた金額の返金に応じました。
解決までの期間
受任から遺留分の支払まで10か月。
当事者の感想・様子
使い込みをしたことを推測される記載を見つけ出して、相手方に対して返還を求めた結果、全額の請求が認められたため、依頼者には満足頂きました。
担当弁護士からのメッセージ
生前の使い込みについては、本人が出金した可能性があるため、使い込んだ立証は必ずしも容易ではありませんが、医療記録や介護記録から、第三者が出金したことが分かる記載から、使い込みの事実が立証できることもあります。
もし、同様の事案でお悩みの際には、当事務所までご相談ください。