弁護士コラム
死んだ父の遺言書を偽造した場合、有印私文書偽造罪にあたるのか?
既に死亡した父親の遺言書を、父親とは別の方(たとえば、相続人である子供など)が作成した場合、何らかの犯罪にあたるのでしょうか。
有印私文書偽造罪(刑法159条1項)は、「行使の目的で、他人の印章もしくは署名を使用して権利、義務もしくは事実証明に関する文書もしくは図画を偽造し」た場合に成立します。
遺言書には、本人の署名と押印が必要になりますので、これを本人とは別の人物が署名押印した場合、まさに「他人の印章」や「署名」を使用したことになりますし、遺言書は、「権利、義務」に関する文書に該当しますので、この有印私文書偽造罪が成立するのです。
なお、有印私文書偽造罪は、3月以上5年以下の懲役刑にあたります。
遺言書を偽造する行為は、上記のとおり犯罪行為になりますので、絶対にされないように気をつける必要があります。